上村松園(1875–1949)は、京都に生まれた近代日本を代表する日本画家です。女性像を生涯の中心的な主題とし、江戸時代の風俗や古典文学、能や謡曲などにも取材しながら、気品と静けさを備えた美人画を築きました。外見の美しさだけでなく、人物の内面や感情を抑えた表現の中ににじませるところに、松園ならではの特色があります。1948年には女性として初めて文化勲章を受章しました。
松園の作品を見ていると、人物の姿勢や視線、指先の動きまでが静かな緊張感を持って描かれていることに気づきます。華やかな着物や髪形に目を奪われますが、本当の魅力はその奥にある凛とした精神性にあるように感じられます。私には、松園の美人画は単に美しい女性を描いたものではなく、人の品格や心の強さまで一枚の絵に映し出した作品のように思えます。