青木龍山(1926–2008)は、佐賀県有田を拠点に活躍した現代陶芸を代表する陶芸家です。伝統的な有田焼の技法を基礎としながら、特に漆黒の深い釉調をもつ独自の天目表現を追究し、中国当時に見られるような美しい窯変を基調とした陶磁器を作陶しました。重厚さと現代的な造形美を兼ね備えた作風は染付・色絵・白磁から天目、さらに釉彩を組み合わせた絵画的表現まで、その制作は多岐にわたります。日本藝術院会員となり、2005年には文化勲章を受章するなど、戦後日本陶芸を代表する作家の一人として高く評価されています。
青木龍山の作品には、まず釉薬の深い色彩と、端正で緊張感のある造形に目を奪われます。ことに天目作品では、漆黒の器面が単なる「黒」にとどまらず、光を受けることで奥行きや微妙な表情を見せ、静謐でありながら強い存在感を放ちます。伝統的な陶磁器の美しさを受け継ぎつつ、絵画や彫刻にも通じる現代的な感覚を感じさせるところに、龍山作品ならではの魅力があるといえるでしょう。