鈴木表朔は、京都の漆芸において表派の伝統を受け継いだ塗師の名跡です。初代鈴木表朔(1874–1943)は二代木村表斎に師事し、京塗の伝統技法を身につけ、伊勢神宮の神宝や御大典に関わる漆塗を手掛けるなど、高い技量を示しました。その技と精神は二代、三代へと受け継がれ、伝統的な茶道具や器物から、現代的な漆芸表現へと展開していきました。特に三代表朔は、アクリル樹脂など新しい素材も取り入れ、漆芸の可能性を広げています。

鈴木表朔の作品を見て感じるのは、漆の美しさを過度な装飾によって見せるのではなく、塗りの艶や器形そのものによって静かに引き出していることです。黒漆や朱漆の深い色合いには、光の加減によって表情を変える独特の奥行きがあり、茶席に置いた際には周囲の道具を引き立てる控えめな品格があります。私には、表朔の作品は京都の漆芸らしい端正さを持ちながら、どこか温かな手仕事の感触を残しているように感じられます。使い込むことでさらに味わいを増していくところも、表朔作品の大きな魅力だと思います。

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鈴木表朔

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