永樂妙全(1852–1927)は、千家十職の土風炉・焼物師を務める永樂家十四代・得全の妻で、本名を悠といいます。得全の没後、十五代正全を支えながら永樂家の家業を守り、茶陶の制作を続けました。1914年には三井高棟から「妙全」の号を贈られています。永樂家の公式資料にも、得全亡き後に家を守り、時代の茶の湯に寄り添った多くの作品を残した人物として紹介されています。 京都国立博物館にも妙全作の交趾作品が所蔵されています。

妙全の作品には、永樂家らしい華やかな色彩のなかに、どこか柔らかく親しみやすい気配があります。交趾や色絵の鮮明な発色を用いても、装飾が強く前に出すぎず、茶席の中で穏やかに調和するところが印象的です。

私には妙全の作品は、技巧を誇示する美というより、茶の湯の場を静かに彩る美として感じられます。名門の伝統を背負いながら、自らが表舞台に立つこと以上に家職を守り続けたその姿勢が、作品の優しさや品格にも自然と表れているように思います。

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永樂妙全

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