平山郁夫(1930–2009)は、広島県瀬戸田町に生まれ、戦後日本画を代表する画家です。広島で被爆した体験を持ち、その記憶を背景に、仏教や平和への思いを生涯の制作へと結びつけました。やがてシルクロードをたびたび訪れ、敦煌や中央アジア、インドなどの遺跡や風景を題材に、深い青や金色を用いた静かな画面を築きました。歴史の中を行き交った人々や文化のつながりを、日本画によって大きな物語へと描き出した作家です。

平山郁夫の作品には、壮大な風景を描きながらも、どこか祈りに近い静けさがあります。砂漠や遺跡、月明かりの道を進む隊商などは、現実の景色であると同時に、長い時間の流れそのものを見ているように感じられます。その絵は異国の風景を紹介するためのものではなく、人間の歴史や命のつながりを静かに考えさせる作品のように映ります。深い色彩の中に、平和への願いと大きな余韻が残るところが平山郁夫の魅力です。

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平山郁夫

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