寺崎広業(1866–1919)は、秋田県に生まれ、明治から大正期にかけて活躍した日本画家です。幼い頃から絵に親しみ、上京後は狩野派や南画、円山・四条派など幅広い画風を学びました。山水や人物、花鳥を得意とし、伝統的な筆墨を基礎にしながら、近代らしい明快な構成と写実性を取り入れた作品を残しています。東京美術学校教授や帝室技芸員を務めるなど、制作だけでなく後進の育成にも力を注ぎ、近代日本画壇の形成に重要な役割を果たしました。

広業の作品を見ていると、確かな筆力に支えられた堂々とした画面の中に、自然を静かに味わうような穏やかさを感じます。山水では山や樹木の量感をしっかりと描きながら、余白や墨の濃淡によって奥行きのある空気をつくり出しています。古典的な日本画の格調を大切にしつつ、新しい時代の写実感覚を無理なく取り込んだところに、寺崎広業ならではの魅力があるように思います。

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寺崎広業

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