秋野不矩(1908–2001)は、静岡県に生まれた日本画家です。京都市立絵画専門学校で学び、戦後は上村松篁らとともに創造美術の結成に参加しました。日本画の伝統を踏まえながらも、既成の画壇にとらわれない表現を求め続けた作家で、特にインドとの出会いが画業の大きな転機となります。現地の強い日差し、乾いた大地、寺院や人々の暮らしに深く惹かれ、晩年までインドを重要な主題として描き続けました。1999年には文化勲章を受章しています。

秋野不矩の作品には、異国の風景を珍しさだけで捉えるのではなく、その土地の空気や時間まで画面に封じ込めようとする強い眼差しを感じます。乾いた土の色、深い青空、建物の壁面などが大胆に構成され、静かな画面でありながら大地の熱まで伝わってくるようです。私には、秋野不矩の絵は「インドを描いた日本画」というより、異なる文化と真正面から向き合い、自らの日本画を作り変えていった記録のように映ります。力強さと静けさが同居しているところに、大きな魅力があると思います。

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秋野不矩

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