加藤唐九郎(1897–1985)は、愛知県に生まれ、昭和陶芸を代表する陶芸家の一人です。若くして作陶に入り、瀬戸・美濃の古窯跡を自ら歩いて調査し、桃山時代の志野・織部・黄瀬戸などを研究しました。その成果を制作へと結びつけ、古陶の形式を写すだけではなく、力強い轆轤、厚く掛けられた釉薬、大胆な焼成によって、独自の豪放な茶陶を生み出しました。志野、織部をはじめ唐津、伊賀、信楽などにも取り組み、研究者としても陶磁大辞典などを残しています。

唐九郎の作品を見ていると、まず感じるのは土と炎に真正面からぶつかっていくような迫力です。とりわけ志野茶碗では、厚い白釉の中から現れる赤みや焦げ、歪みまでもが作品の表情となり、整然とした美しさとは異なる生命力を感じさせます。

私には唐九郎の器は、桃山陶を懐古的に再現したものではなく、桃山の陶工たちが持っていた自由さや荒々しい精神を、昭和という時代にもう一度呼び戻したもののように映ります。端正さよりも迫力、技巧よりも土と炎の勢いを前面に出したところに、加藤唐九郎ならではの強烈な魅力があると思います。

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加藤唐九郎

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